Forkwell主催 Front-End Study #3「『当たり前』をつくりだすWebアクセシビリティ」に登壇しました
2021年1月13日…
先日、会社の仕事でMicrosoft主催のHackfestに参加してきた。HackfestはMicrosoftが提供する技術を中心として、Hackfest参加企業とともにMicrosoft所属の開発者と共に、製品のプロトタイプを共同で作り上げる短期間のプログラムだ。今回は国内大手電気機器メーカー、米国Microsoftのシアトルのチームと共同開発ということで、Hackfestへ途中の日程から参加をした。
Hackfestの開発チームは日本人で構成されたチームもあったが、自分がメンバーとして参加したのはMicrosoft米国チームへの参加であった。技術的には何ら問題はなかったのだが、そこでは、自分の英語力のなさに気付かされるばかりであった。簡単な挨拶程度であったり「OK」や「Yes」などの返事は言えるが、それ以上のことは言えないし、自分から積極的にコミュニケーションを取ることはなかった。あとは、語学力に自信がないので、なんとなく英語での発声については普段よりも声が小さくなっていた感じがあった。要するに、自分は何かを聞かれたら応答はし、あとは基本的には黙々と開発を進めるようなお地蔵さんのような存在だったのだ。
エンジニアが英語を話せないと何が問題かという部分については、非常に取扱いが難しい問題だと思っている。案外、日本語と多少の開発能力で生きていかれている現状もあるので、問題という問題には思えないことが多いと思う。ただ、今回のHackfestの状況を振り返ってみて、英語を話せたら、この技術力が非常に高いメンバーと自由にコミュニケーションができて、色々な情報交換ができたと思うし、今後の良い人脈にできたのではないか、と振り返るととても機会損失が大きいように思う。
機会損失というのは、今回のように事後に振り返ってみてああやってしまったな、と思うことのダメージが大きい。英語については、英語を話すようなシチュエーションにあえて自分から行こうとしないと実際に英語でコミュニケーションしたり、学習する機会を得ない。よって、日頃から意識的に英語に関わる機会を自発的に作らなければ、いざというときに英語を話すことはできない。ああやってしまった、と問題意識を持つようになってからでないと英語の重要さに気づかないというのも、なかなかの問題だなと思う。
あとは、英語でコミュニケーションできていないで、今回のHackfestでは「要望のあった内容を作りきる」ということをやっていたが、もし話せたら開発対象のアーキテクチャについて自分からより良い方向性の提案もできたかもしれない。自分が求められる役割は全うしたし、周辺からも問題ないというフィードバックをもらえたが、米国チームは活発に議論しつつ開発をしていた様子をみると、自分のキャパシティを遥かに上回る仕事量だったと思うし、やはりコミュニケーションができないことでチームの生産性の向上、プロダクトの品質向上には影響があったのではないかと思う。
まとめると英語ができないと気付くにはものすごく機会損失が大きいことで、英語が話せないというだけで開発者の場合は「言われたことをそのままやるだけの人」になってしまうことがある、ということだ。
逆に英語が話せたら、のメリットを考えてみる。自由に英語が話せたら、これまでに書いてきた問題が解消され日本語の環境と変わらない「いつものスタイル」で仕事ができるだろう。自分の場合は、何か疑問があったらすぐ問い合わせるが、これがHacKfestの開発では抑圧されていた。いつもの自分で働けないというには、パフォーマンスの低下そのものであり、これが英語ができることにより、英語の環境でも日本語環境と変わらず、通常のパフォーマンスで働けるということである。
あとは、最もメリットなのが仕事の幅そのものが増える、ということだろう。例えば、転職活動をするシチュエーションを考えた場合に、日本語しかできない場合と日本語と英語ができた場合には選択肢が圧倒的に異なってくると思う。英語ができた場合は、ビザなどの問題などは一旦置いてとして、日本国内の求人のみではなく、英語圏の求人情報も対象として活動ができる。
また、英語力があることにより、開発効率が向上することも十分に考えられる。例えば、開発者の中にはオープンソースのソフトウェアで最新のものを取り扱わなければならないシチュエーションがある。そういった場合に、ドキュメントを読もうとした場合、ドキュメントはほとんど英語で書かれている。英語の読解力が向上することで、このドキュメントを読む時間の短縮が期待できる。例えば、自分の場合、英文を読むのが面倒なときは、いちいちドキュメントの英文を翻訳ツールにかけて日本語訳を呼んでいることが多いが、そういった際の手間がなくなるとともに、より正しい意味でドキュメントを理解できるので開発効率が向上することは間違いない。
Hackfestに参加されていたMicrosoftの日本人フィールドエンジニアの方に言われた印象的な言葉がある。それは、「英語は覚えた時から、その後一生使える」能力、ということだ。これはプログラミング言語とよく似ている気がする。CならC、JavaならJavaで、プログラミング言語は一度覚えたらたいがい忘れないし、少々忘れていても、一度身についたものは再び使えるようになるのも早い。
そのフィールドエンジニアの方は、前職での米国での就労経験が2年ある方だが、渡米前にTOEICが満点にかなり近いスコアを保有していたも。しかし、それでいても、最初はまったく現地では英語が通用しなかったということだ。それから現地で猛烈に勉強し、自ら英語により多く触れるシチュエーションに飛び込むことで、たった2年で一生使えるビジネスレベルの英語力を身に付けた。この話で重要なのは、ある程度TOEICというテストでもハイスコアで、英語力の基盤がある人でもさらに多くの努力をしないと英語力は身につかないということだ。この方は、さらに英語があれば世界中、場所を問わずに仕事ができる。とも言っている。場所を問わずに仕事ができる、というのは少なからず現代を生きる開発者には刺さるポイントではないだろうか。
今回のHackfestは、技術のレイヤーでは、ソースコードを1種のプロトコルとして、米国の開発者と最低限度のコミュニケーションができた。一方で、より英語圏の開発者との仕事の質を高めるためには、言語のレイヤーでは、世界的によく使われるプロトコルである英語が必須なのだ。
日本人開発者の技術力はそんなに悪くない、というのはインターネットの記事でたまに見ていたが、こうして自分も国外の開発者チームの中に飛び込んでみて、たしかに悪くはなかったと思う。英語でうまくコミュニケーションができなくても、仕事として成り立つ程度に技術力ではカバーはできたと思っている。
開発者はどうしても、自分も含めて技術力の追求に目がいきがちだが、日本人の「熱心なタイプの開発者」は、国外のデキる開発者の層と遜色なく戦える可能性を十分に感じた。英語を身に付れば、母数として少ない日本人の優秀層の開発者だけではなく、世界の優秀層と同じフィールドで仕事ができるので、将来、シニアまでのキャリアを考えた場合に、英語でのコミュニケーションができることは、最終的にはより自己成長につながるのではないかと感じた。
今回のHackfest参加の経験から、これからは、間違いなく「英語力+技術力」を兼ね備えるエンジニアの市場価値は向上するであろうと確信した。また、その一方で、日本語しかできないエンジニアの市場価値が低下するのではないかという危機意識を強く持った。
英語ができることで、仕事の幅が世界に広がる。
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プログラムを書きながらTranceを聴くのが良いですね。みなさんも聴いたほうがいいですよ、Trance。EDMよりハードトランスでしょ。
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