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結局のところ、さくらのVPSとお名前.com VPSはどちらのほうが良いのか?

2015年11月29日

いきなり脱線だが、これはDigital Oceanの最寄りリュージョンが遠い日本人の悩みである

ここは読み飛ばしても良いかもしれない。Degital Oceanを知らない人は読んで良いと思う。国内のメジャーなサービスということで、VPSの選択には、さくらのVPSまたはお名前.comのVPSが選択肢として上がってくることだろう。海外のこの手の事情に詳しいエンジニアはDegital Oceanも当然、選択肢に上がってくることだろう。もし、Degital Oceanに東京リュージョンがあれば、プライベートサーバから、スケールアウトを考えた構成まで、VPSはさくらのVPSとお名前.com VPSを差し置きこれ一択しかない、というくらいには素晴らしいサービスだ。

仮想マシンセットアップ時にメジャーなアプリケーションや環境をインストール済みでセットアップしてくれるオプションが強力

便利なDegital Oceanであるが、現状では、日本からの接続先が最短でもシンガポールとだけあって、実際に使ってみると、環境によっては回線が遅く感じることがある。自分が構築した環境では、ターミナルで作業しているとモッサリしていた。サーバのレスポンスも、同環境を同スペックのさくらVPSに構築した場合、コンソールにもたつきも少なく、快適であった。サービスのレスポンス速度も厳密には計測していなかったが、さくらのVPSのほうが1秒くらいは違ったと思う。というわけで、やはり現実的に、物理的な位置の問題で、さくらVPSか、お名前.comVPSの二択になることであろう。

 

余談であるが、Degital Oceanには他にも便利な機能が多い上に、料金体系も明確だ。月額請求でなく、使用時間で請求されるが、AWSでは従量課金ではなく、下記の最大料金が決まっている。

最安値のマシンはだいたい月600円ちょっと。同スペックのさくらのVPSの一番下のプランよりも安い

料金は上記の通りなので、AWSのように料金体系がよく分からない、ということはまずないだろう。Degital Oceanの便利さについては、別途エントリーで書こうと思ったが、現状書けていないので他に譲る。フォローとして、Degital Oceanへ登録した瞬間からお得になる、僕の紹介コードを載せておく。下記の紹介コードを入力すると、あなたはDegital Oceanのクレジットに$10チャージされ、僕は$25チャージされる。

Degital Oceanの紹介コード(下記URLからサインアップすると、$10チャージされた状態でスタート!)

www.digitalocean.com/?refcode=db04a2a258c8

基本はクレジットカードからだが、チャージがある場合には、チャージから利用料金が引かれるので、最下位のプランを選択すれば、紹介コードのチャージ分だけで2ヶ月無料でVPSを運用することができる。もしDegital Oceanがどんなものか気になったら試してみてもよいだろう。

 

 

さくらのVPS  vs  お名前.com VPS

プライベートサーバにはお名前.com VPS、スケールアウト・スケールアップを考えたビジネス用途にはさくらのVPS

さて、脱線しつつ始まったが、本題である。さくらのVPSとお名前.comVPSはどっちが良いのか?である。相当に調べたり実際にどっちも使ってみての結論でいうと、低スペックの仮想1コアの600円程度のVPSを使いたいだったり、スケールアウトスケールアップを考えている場合はさくらのVPS。そうではなく、ほとんどプライベートの用途の場合はお名前.comVPSの選択で良いという結論だ。僕の感覚的には、このブログを見に来ている人は、仮想2コア、3コアのVPSの契約を考えていて、プライベートなVPSを契約する人が多いんじゃないかと思っているので、それでいうと大半の人がお名前.com VPSを選択すべきと思う。さくらのVPSはプランについては、複数台構成によるスケールアウト、さくらのVPSから、さくらのクラウドへのマイグレーション機能があるので、スケールアップも可能である。拡大を考えた場合には、さくらのVPSはかなり柔軟だ。さくらのVPSとお名前.com VPSについての評価の詳細は後述する。

 

さくらのVPSについて

Pros

Cons

  • コントロールパネルの機能がお名前.com VPSよりも劣っている(SSHキーペア作成機能、スナップショット機能、メモ機能がない)
  • プランによっては、試用期間では転送速度255kbps以下の回線制限をかけられ、課金開始をしないと解除されない

このブログも、2015年11月29日現在は、さくらのVPS 2Gプラン(仮想3コア、メモリ2GB)で動いている。実際にさくらのVPSを使っていて、現状ではほとんど小規模な用途でしか使っていないせいが、さくらのVPSについて感じたメリットはない。

ただ、仕事の都合で、それなりに国内でネットワークが早く、しかも安く調達できるVPSでいうと、さくらのVPS最下位の仮想1コアのプランが候補に上がり、この価格帯でまともそうな国内のVPSはさくらのVPSくらいしかなく、短期間の運用目的のリソースの調達に利用してみたことで、初めてさくらのVPSの利点を感じた。しかしながら、初期費用はリュージョンによっては初期費用がかかるのと、どのリュージョンでも2ヶ月分の料金がとられるので、Degital Oceanのように初期費用無しで使った分だけ、というわけにはいかないので、取り回しは良くない。なので、これも仕方がなく、さくらのVPSが選択肢に入ったというだけで、明確なメリットとは言い切れない。

それから、運用上たまに操作するであろうコントロールパネルは、後述のお名前.comより機能面で劣っている。お名前.comよりもサポートがしっかりしているとネット上の評判は見た事がある気がするが、現実的に、VPSを運用していてサポートへ連絡なんて余程の事がない限りはしない。

かれこれ、2年近くさくらのVPSを使っているが、途中はお名前.comVPSへの移行も何度か考えた。しかし、国内の同リュージョンでVPSを複数台契約している場合には、仮想スイッチによりネットワークを構築できるようで、アプリケーションを開発中なこともあり、分散や冗長化構成を安く構築できる可能性を見い出したので移行を一旦やめた。あとは、料金はVPSより高くなるが、プランそのものを「さくらのVPS」から「さくらのクラウド」へ変更してしまうVPSのディスクイメージのマイグレーション機能があるので、前述のスケールアウト以外にスケールアップの選択も可能である。個人用途では、現実的になかなか考えにくいが、ビジネス用途には、まずはVPSでスケールアウトして、マイグレーションにより各サーバをスケールアップさせる、などかなり柔軟に負荷に対応していけるので、かなりのメリットだと思う。

小ネタだが、直面したちょっとしたトラブル(?)がある。個人的に気に入らないのが、さくらのVPSには試用期間2週間があり、この期間は最下位のプランではネットワーク制限の転送速度を255kbps以下にがっつり設定してあることだ(2015年11月3日時点で確認)。それを契約時に気が付きにくい位置に表示している。僕もそれを仕様と気づかず、仕事上での簡単な環境に使っていたため、パートナーが低速な回線速度について、サポートに問い合わせてしまった。サポートの回答によると、試用期間内に課金を開始すれば制限が解除される、ということだったので、すぐ課金を開始して対処したが、これって本気でどうかしていると思う。ネットワークの回線品質コミで試用させないって、それってVPSが本当に品質の良いものかを判別できるのかって話だし、通常のステップで契約した人間が気付かないとかそれもおかしい。僕としては、ネットワークが攻撃を受けていて回線を絞っているのかなあ、早く治らないかな、とか本気で思っていた。なので、ネットワークが初期状態で制限されているという仕様のサービス内容には相当がっかりした。この件があってから、今でも何か理由を見つけてさくらのVPSは解約したいと思っている。

 

お名前.com VPSについて

Pros

  • 同スペックのさくらのVPSより、仮想マシンの性能が高い
  • GMOのサポートデスクは、案外サポート対応が良い
  • コントロールパネルの機能に、さくらのVPSにはない、SSHキーペア作成機能、スナップショット機能がある

Cons

  • さくらのVPSのように、複数台構成にてローカルネットワークが構築できない(スケールアウトできない)
  • さくらVPSのように、プランそのものを変更し、スケールアップができない

サポート対応云々が良くなかったり(そもそもGMOが嫌いという人のフィルタがかった意見の気もするが…)、ネット上でさくらインターネットよりも何か対応が劣っているという評判を見かけることがあった。前述の通り、VPSを運用していてサポートに問い合わせるという事はまずない。ちなみに、僕はお名前.comに問い合わせをした事はないが、ドメイン関連のことで、GMOのサポートデスクに問い合わせた方から、GMOのサポート内容を聞いた事がある。その際のGMOのサポートデスクの対応は非常に良く、あえてそこまでする必要はないのに、米国の某サービスのサポートデスクにGMOスタッフが顧客の代わりに直接問い合わせたりとか、ものすごく良い対応をされていたのを聞いた。なので、ネット上の噂はあくまで噂なのかもしれないと感じた。

あとは、さくらのVPSより、お名前.com VPSのほうが同等のカタログスペックでも仮想マシの性能が高いという話もあることから、これは決定的にお名前.com VPSが良いといえることだろう。実際、同スペックでもさくらのVPSは環境によっては仮想3コアのマシンで、コンソールがもたつく感じがあったが、お名前.com VPSはそのようなことはなかった(完全に同じ環境ではなかったが)。

スペック以外の点でも、たまに使うコントロールパネルの機能も、実用的な機能が一通り揃っているのが嬉しい。SSHキーペア作成の機能、スナップショット機能は環境を新たに構築する時に非常に便利だ。これらの機能はさくらのVPSには存在しない。さすがにSSHキーペアの作成くらいはあるだろうと思いきや、さくらのVPSにはないのが痛い。スナップショット機能を使える点で、一般的な仮想マシン的に扱える点を重視した場合には、お名前.com VPSを選択するしかないだろう。実験的に色々やりたいとなると、スナップショットの機能がないと不便だ。

さくらのVPSと比較した場合の欠点でいうと、さくらのVPSと比較すると、お名前.com VPSは、複数台構成でローカルネットワークを構築できない、またプランそのものを変更してスケールアップができない、という欠点がある。個人用途のプライベートサーバ程度なら、これは全く無視できる問題である。しかし、ビジネス用途、小中規模サービスを運用予定で、安あがりで初期投資を抑えつつもも、ローカルネットワークも構築した状態でサービスを提供する予定がある場合には、お名前.com VPSではなくさくらのVPSを選択する必要があるだろう。

 

まとめ

プライベートサーバとして、一台のみを使いたいというのであれば、間違いなくお名前.com VPSがオススメである。主にビジネス用途で、スケールアウトやスケールアップを今後検討している、という場合に限り、さくらのVPSを選んでおくのが良いと思う。

しかしながら、今後数年でDegital Oceanが拡大し、Degital Oceanが日本国内にデータセンターを設けた場合には、僕は確実にさくらVPS、お名前.com VPSではなく、Degital Oceanを勧めることだろう。

mmiyauchi

プログラムを書きながらTranceを聴くのが良いですね。みなさんも聴いたほうがいいですよ、Trance。EDMよりハードトランスでしょ。

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